では、水道水はどうなの?
前回の賢い水の選び方で書きましたが、
硬水と軟水は両者のメリットやデメリット、
体に及ぼす影響などをまとめました。
水を購入される方はそれで良いと思いますが、
水道水を利用されている方はどうなのでしょうか?
よく、「○○の地域は、水源地が近いから水がきれいだよね」
と耳にすることがありますが、本当にそうなのでしょうか?
ということで、水道水に関連することについて簡単にまとめていきます。
水道水はどうやってできるのか?
水道水は主にダム湖や河川の水などといった
地表水を原水としています。
そこから、浄水処理場に集められた水は沈殿やろ過によって
不純物を除去した後、塩素を注入することで殺菌消毒しています。
このような過程で出来上がった水道水が、家庭に運ばれていきます。
水道水の成分は?
水道水には様々な成分が含まれており、味の違いが生じることがあります。
水の種類では硬水と軟水に分けられ、ミネラル:マグネシウムとカルシウムの含有量によって、
区別されています。日本の水道水の多くは、ミネラルの少ない軟水で、
比較的飲みやすいものになっています。
また、水はpHの違いによって「酸性」「中性」「アルカリ性」に
分類されますが、日本の水道水は水質基準でpHが中性(5.8以上8.6以下)に
なるように定められています。
水道水質基準とは?
日本の水道水は、水道法に基づいて水質基準が定められています。
浄水場で塩素処理された水道水は、各家庭に供給されるまでの間、
塩素の殺菌効力を保っていなければなりません。
この一定程度の塩素が「残留塩素(遊離残留塩素)」と言います。
私たちが飲水や食事、入浴などに使うその瞬間まで
衛生管理をすることが残留塩素の役割です。
この残留塩素の濃度基準は、水道法22条によって定められており、
各家庭の蛇口(給水栓)で、1リットル当たり0.1mg(0.1ppm)以上の
濃度を保持していることが義務付けられています。
給水栓における水が、遊離残留塩素を0.1mg/l(結合残留塩素の場合は、
0.4mg/l)以上保持する様に塩素消毒をすること。
厚生労働省「水道法第4条及び第22条等の関係について」より引用
下限値が定められている一方で、上限値が定められていない
ことをしっかりと考えた方が良いと思います。
水道水塩素の問題点
1. 水の味がまずい問題です
カルキ臭やカビ臭などがありますが、塩素起因としては、
残留塩素と水中の有機物が結合して発生します。
レストランや喫茶店で出されるお水の中で、水道水を使用している
お店にはにおいや味に違和感を感じることがあると思います。
塩素はビタミンCなどの食品の成分を破壊してしまうので、
料理やコーヒー等の味を落とすことがあります。
2.発がん性物質トリハロメタン・有機物問題
個人的にはこの問題が1番危険だと思っています。
塩素には活性酸素を発生させてしまうという、重大なマイナス面があります。
活性酸素は細胞に損傷を与え、がん細胞の発生を手助けしたり、
血管を傷つけて動脈硬化や生活習慣病を引き起こしたりします。
塩素は水道内の一部の有機物(主にフミン質)に反応して、
発がん性のある副産物を生成します。
それが、トリハロメタンです。
トリハロメタンの危険性は?
トリハロメタンの含まれた水道水を常飲したり、
揮発したトリハロメタンを人が吸い込むと、
腸壁から吸収されて脂肪の多いところに入り込みます。
トリハロメタンは脂肪に溶けやすく、なかなか排泄されません。
これらは体内に蓄積され、濃縮されていくと言われています。
トリハロメタンは、アメリカの研究で発がん性物質であると明らかにされ、
動物実験では、体重1㎏についてトリハロメタンの量が3㎎を
超えると、発がん率が50%以上になる
と言う結果が出ているそうです。
トリハロメタンとは、
クロロホルム・ジブロムクロロメタン・ブロモホルム・ブロモジククロロメタン
などの総称で、全てが様々な病気を引き起こす原因物質となりえます。
・クロロホルム…発がん性、中枢機能低下、肝臓毒性、腎臓毒性、催奇形性
・ジブロモクロロメタン…催奇性、奇形をつくる性質
・ブロモジククロロメタン…発がん性
・ブロモホルム…催奇性
このようなリスクが挙げられるため、自分たちが注意出来ることは、
金銭的には負担になりますが、ミネラルウォーターを常飲するか、浄水器を設置する等の
対策が必要になってくると思います。
皆さんも日頃の水道水の使用方法を考えてみてはいかがですか?