臓器の特徴(肝臓編)
今回から臓器の不調が身体に与える影響についてまとめていきたいと思います。
初回は肝臓からです。
肝臓のイメージとしてはどのようなものがありますか?
アルコール分解や解毒に関わる印象や、脂肪肝なども
よく耳にすると思います。血液検査ではγ-GTP、GOT、GPT
などの検査項目で見ることができます。
そんな肝臓の機能や身体に与える影響をまとめました。
肝臓の役割は?
肝臓は人体内で特に重要な臓器です。
肝臓には、500種類以上の働きがあって、体内のあらゆる機能に深く関わります。
ホメオスタシス(恒常性・・・一定に保ち続けること)の主役ともいえます。
主な働きは、解毒・代謝・排泄・貯蔵・防御です。
肝臓は代謝の中心的な役割を担っています。
糖質、タンパク質、脂質、ビタミン、ホルモン等は、
肝臓内で分解、合成、調整が行われています。
グリコーゲン、脂質、ビタミン等を貯蔵し、必要に応じて供給することも行います。
毒物・薬物などを抱合、分解、酸化、還元等によって解毒し、
無害な物質に変えて胆汁や尿とともに排泄します。
また、病原菌なとを破壊し、身を守ります。
これらのように、血液を常に一定条件で正常に保つ
ようにコントロールしているのが、肝臓の役割です。
肝臓の機能が落ちるとどうなる?
肝臓の機能が低下すると体内の血液の質が悪化して、
全身的な障害を引き起ます。
肝機能検査に現れない程度の機能低下でも、血液中に老廃物が増加し、
血液成分バランスが乱れ、代謝が下がって支障が出てきます。
血液は全身の細胞を養い、毎日新生する細胞の素材になるものです。
血液に質が悪化し、細胞の機能が衰えれば、全身の臓器器官の機能が低下します。
肝臓の機能低下で影響を受けやすい場所は?
最も影響を受けやすい場所は目です。
眼球組織は激しく代謝しているので、栄養と酸素を大量に消費しています。
血液質が悪化して、エネルギー供給が少しでも不足すると、
とたんに目の機能が弱ってきて、目の疲労や視力低下
などとなって現れます。
その他にもドライアイや、目のかすみ、ぼやける、白目が血走る、
目の下のクマやシワ、顔の湿疹、
鼻の頭やほおに蜘蛛状の血管が浮き出てくる
などの症状がみられてきます。なので、鏡で目周辺のチェックを行うことが
日頃の健康状態の把握にも繋がりますね。
目に次いで代謝の活発なところは、脳です。
そのため、脳にも影響が及んで、精神や自律神経にも
影響を及ぼしていきます。
肝臓を悪くする原因は?
肝臓を悪くする要因としては、
ウイルス・アルコール・薬物・遺伝性代謝障害と言われています。
しかし、これらは遺伝性を除いては二次的要因であるので、
根本原因は生活のあり方にあって、食と心のあり方が問われます。
肝臓は、口から取り入れる栄養処理に最も大きなエネルギーを使います。
食物は、消化器で処理・吸収された後、肝臓ですべて最終処理が行われます。
肝臓は休むことなく働いていますが、この負担が程々であれば、
問題が生じることは有りません。しかし、現代人の食生活は、
肝臓への負担が限度を超えて大きくなりすぎているのが現状です。
子供から大人まで現代人の肝臓は疲れきっているので、
肝臓の疲労が、様々な肝臓障害に繋がっていきます。
次回では、食が肝臓に及ぼす影響や初期症状についてまとめていきます。