ことわざが教える伝統的な食生活の工夫『体編①』
前回は日本の伝統的な食生活には、健康を維持するための工夫についてまとめました。
ここでは、体にまつわることわざを解説しながら、
伝統的な食生活の工夫について考えてみましょう。
「薬食同源」
「薬食同源」とは、食べ物が薬と同じくらい健康に良いということを表す言葉です。
日本の伝統的な食生活では、食材の選び方や調理法にもこだわりがあります。
例えば、味噌汁には発酵食品である味噌が使われ、酸化ストレスから体を守る効果が
あるとされています。また、魚には不飽和脂肪酸やビタミンDが多く含まれ、
骨や心臓の健康に良いとされています。
「一汁三菜」
「一汁三菜」とは、食事のメインとなる汁物と、副菜を3品用意することを指します。
日本の伝統的な食生活では、バランスの良い食事を心掛けることが重要視されており、
この「一汁三菜」はその具体的な例です。汁物には、体を温める効果があるとされる
根菜類を使うことが多く、副菜には、野菜や魚、豆類などを使って、
栄養バランスの良い食事を作ることが求められます。
「朝食は金、昼食は銀、夕食は銅」
「朝食は金、昼食は銀、夕食は銅」とは、一日の食事の重要度を表した言葉です。
朝食は、一日の活動に必要な栄養を摂取するために、とても重要な食事とされています。
昼食は、午後の仕事や学校での集中力を保つために、適切な栄養素を摂取する必要が
あります。夕食は、身体の修復やエネルギー補充を目的として、軽めの食事が適しています。
「食欲は進まぬ時に限る」
「食欲は進まぬ時に限る」は、食欲がない時こそ食べるべきだということを
表す言葉です。日本の伝統的な食生活では、食事をする時間や量にも気を配ります。
例えば、食欲がないときは無理に食べないことが重要です。また、過剰な食事は
身体に負担をかけるため、腹八分目を目安に食べることが推奨されています。
「塩を知らぬ者は、健康を知らず」
「塩を知らぬ者は、健康を知らず」とは、塩分の摂取が健康に大きな影響を
与えることを表す言葉です。日本の伝統的な食生活では、食事に使う塩の量にも
注意が払われています。塩分の摂り過ぎは、高血圧や生活習慣病の原因となるため、
適切な量を守ることが重要です。また、和食には、調味料として塩の代わりに、
鰹節や昆布などの旨味成分を使うこともあるため、塩分を控えたい人にもおすすめです。
「医食同源」
「医食同源」とは、健康は食事から始まるということを表す言葉です。
日本の伝統的な食生活では、食事を通じて健康を維持することが重要視されています。
食事は、栄養素だけでなく、体を温めたり冷やしたりする作用や、
ストレスを緩和する効果など、身体に様々な影響を与えるためです。
また、季節の食材を使った料理や、嗜好に合わせた調理法など、個々人の体質や
状態に合わせた食事を心掛けることが大切です。
以上のように、日本の伝統的な食生活には、健康を維持するための知恵がたくさん
詰まっています。これらのことわざを通じて、改めて食事の重要性を考えてみることができます。